
これは、永遠の芸術品。
6つのコーディネートを組み終えて、改めてこのジャケットを眺めたとき、そんな言葉が浮かびました。
これまでも、そしてこの先も、
これほど美しいジャケットは、もう手に入らないかもしれない。
今回、不思議と強く感じたのは「このコーデが好き」ということではありませんでした。
コーデではなく、ジャケット単体の美しさ。
淡いピンクの色、立体的な肩のライン、やわらかく絞られたウエスト。
何十年という時間を経ても、眺めているだけで美しいと思える。
……これはもう、酒のつまみに最高なのではないでしょうか(笑)。
グラス片手に眺めながら、しんみり呑みたい。
そんな一着です。
このジャケットについては、約一年前にも一度記事にしました。
あの頃は、長い時間を経て再会したゴルチエに「何を合わせよう?」と、夢中になってコーデを作っていました。
そして約一年後。
同じジャケットを前に、もう一度コーデを組んでみることに。
服は変わっていない。
でも、コーデする私の目は少し変わったのかもしれません。
今の私なら、この一着をどう着るだろう。
今回は、淡いピンクのゴルチエを主役に、6つのコーディネートを楽しんでみました。
変わらないジャケット、変わった私
この淡いピンクのゴルチエと再会したのは、約一年前。
実家で長い間眠っていたジャケットを持ち帰り、うれしくて、あれもこれもと夢中でコーデを組みました。
あの頃の私は、
「このジャケットには、何が合うだろう?」
と考えていたように思います。
それから約一年。
今回もう一度向き合ってみると、少しだけ見方が変わっていました。
何を合わせられるかではなく、
「このジャケットの美しさを、どう見せたい?」
そんなふうに考えながら、一つずつ組んでいました。
服は何も変わっていないのに、着る人の目は変わっていく。
それもまた、長く一着の服を持つ面白さなのかもしれません。
昨年の「ゴルチエとの再会」の記事はこちらhttps://fashion2ndlife.com/okaeri-gaultier-2/
①淡ピンク × ダークブラウン
|落ち感で、曲線を引き立てる

まずは、このジャケットの形を見たい。
やわらかく落ちるダークブラウンのパンツを合わせました。
パンツのすとんとした落ち感が、ジャケットのウエストシェイプをより美しく見せてくれます。
肩からウエストへ、そして裾へ。
改めて眺めてみると、このジャケットはやっぱり形がきれい。
色を重ねるというより、まずはその美しさをそのまま楽しみたくなったコーデです。
②淡ピンク × ボルドー × ココアブラウン
|服にも、時間が積もっていく。

昔なら、こんなふうに合わせただろうか。
一度は「似合わない」と言われて、クローゼットに眠ったボルドーのブラウス。
それを、長い時間を一緒に過ごしてきたゴルチェに合わせました。
ボトムはココアブラウンのタイトスカート。
淡いピンクに深い色を重ねると、ジャケットのやわらかさの中に、少し落ち着いた表情が生まれます。
服は変わらなくても、着る人も、見る目も変わっていく。
だから昔の服を、今また組み直すのは面白い。
服にも、時間が積もっていく。
そんなことを感じたコーデです。
③淡ピンク × ライトパープル × ネイビー
|古い服を、古く着なくてもいい。

鮮やかなライトパープルを合わせてみました。
長く持っているジャケットだからといって、落ち着いた色だけを合わせなくてもいい。
ライトパープルを入れると、淡いピンクのゴルチェが急に今の表情になります。
ボトムはネイビーのパンツ。
上半身の色をしっかり受け止めながら、全体をすっと落ち着かせてくれました。
昔の服を、昔と同じように着る必要はない。
今好きな色を合わせて、今の自分で着ればいい。
古い服を、古く着なくてもいい。
④淡ピンク × ライトグレー × ホワイト
|たぶん私は、これを着て出かける。

6つの中から、実際に着て出かけるなら。
私はたぶん、このコーデを選びます。
ライトグレーのトップスに、ホワイトのタイトスカート。
淡いピンクのジャケットを重ねて、全体をやわらかな色でまとめました。
昔、このジャケットに合わせていたのは、ブラックのストレートパンツやスキニーパンツ。ブルーデニムにも合わせていました。
とにかく、シルエットはスリム。
同じジャケットなのに、今選ぶ色も、合わせ方もずいぶん変わりました。
今の私なら、こんなふうに軽く、やわらかく。
ランチにも、少しきれいにしたい日のディナーにも、このくらいが心地いい。
服は変わらない。
でも、着る人はちゃんと変わっている。
⑤淡ピンク × ブラウン × オフホワイト
|今のNori Styleなら、こう着る。

ジャケットのダークブラウンのボタン。
今回は、そこから色を拾ってみました。
インナーにはブラウンのシアートップス。
ボタンの色とリンクさせることで、淡いピンクの中にブラウンが自然になじみます。
ボトムはグレージュのパンツ。
深いブラウンを入れても重たく見えないよう、下には明るさと余白を残しました。
たぶん、これが今のNori Styleです。
⑥淡ピンク × チェリーピンク × ブラック
|最後は、ちょっと遊んでみる。

最後は、チェリーピンクを合わせました。
淡いピンクのゴルチェに、鮮やかなピンク。
「ピンクにピンク?」
いいんです。今日は遊びます。
ボトムはブラックのパンツで、色の強さをきゅっと受け止めました。足元はあえてスニーカー。ゴルチェだからといって、いつもきれいにまとめなくてもいい。
若い頃には、こんな着方はしなかったかもしれません。
でも今は、似合うかどうかだけではなく、着ていて楽しいかどうかも大事にしたい。
何十年も前のジャケットで、まだこんなふうに遊べる。
それが、なんだかうれしい。
アクセサリー?
今日は私自身がアクセサリー、ということで。
📷撮影後談:撮影後談|結局、ジャケットを眺めていた。
今の自分でもう一度、その服と出会うこと。
それが、私にとっての「マイヴィンテージ」なのかもしれません。
6つのコーデを組み終えて、改めてゴルチェを眺めました。
淡い色も、深い色も。
やわらかな色も、鮮やかな色も。
どんな色を持ってきても、ゴルチェはうまく返してくれる。
でも、撮影を終えて一番強く感じたのは、コーデのことではありませんでした。
このジャケット、やっぱり美しい。
肩のライン。
ウエストのシェイプ。
ボタンを留めたときの佇まい。
若い頃の私は、これをどう着こなすかを考えていたのかもしれません。
今は、ただ服そのものを眺めていたくなる。
これまでも、この先も、これほど美しいジャケットは手に入らないかもしれない。
そう思ったら――
酒のつまみに最高なのではないでしょうか。
眺めながら、しんみり呑みたいですね(笑)。
服は同じ。
でも、見る目は変わっていく。
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